2022年6月に株主総会が行われ、去年「好きなゲームを教えてほしい」と質問をした株主が、今回はこう投げかけた。
「取締役のみなさんが従業員をどのように大事にしているか答えてほしい」
またまさかの質問に任天堂の重役たちがどう反応したのでしょうか?
気になりますよね。
その内容についてこれから解説していきます。
「全員が活躍する全員野球」
全役員が発言することはなく、代表して古川社長がまとめて回答したが、そのあとにつづいて代表取締役 フェロー 宮本さんも回答しました。
二人とも、一人一人の従業員を大事にし、良好なワークバランスを実現するためにニーズに合った納得のいく働き方を実現するのが必要だと答えています。
具体的な内容として、柔軟な勤務体系制度の導入や、有給休暇取得の促進、非正規社員の待遇改善、兼業・副業の許可、育児介護制度の拡充をあげています。
また、数年前に女性社員の制服を廃止し、さらに今年からは社員が自分自身で職場に適した服装を考えて選べるように、より柔軟なドレスコードに変更しました。
女性が活躍できるような環境づくりにも献身的です。
新入社員200人とお話会の開催
「余計なことをしなさい」という言葉を新入社員の皆さんはもちろんのこと、全従業員にこの言葉を贈って、たくさんのチャレンジ場を提供している。
一緒に働く人数が増えても、チームの全員が活躍しているかという観点がとても大事で、チーム全体が機能すると考えており、日常から積極的に仕事に取り組める環境を整えている。
このお話会は毎回必要ないのかもしれないと思っているようですが、新しく入った人たちに会社の心を知ってもらいたいために辞めずに行っているようです。
任天堂DNA 「ゼロから何か始めるトレーニング」
任天堂では全体を見ながら自分の役割を超えて行動しても良いとしています。それは新しいことにチャレンジする際に、今までと同じ方法では通用しないことがあるので、ゼロから何かを始めるというトレーニングを常にした方がよいと考えているからです。
毎年、新入社員やキャリア採用の方など、新たに任天堂に入社された方向けにセミナーを行っています。その中で、このような任天堂の DNAや仕事への取り組み方などについて話をしています。
女性取締役の育成
現在の女性取締役には、社外取締役として新川麻さんや外国籍のクリス・メンダンドリさんの2名がいます。
趣味嗜好の多様化が進む中、多様な人材を活用することは会社の総合力を高める上でも必要不可欠であると考えており、社員それぞれが持つ個性や強みを尊重し、活かしていくように努めています。
しかしながら、女性の管理職を増やすとなると、まだ課題は多いようです。
役員の間でもよく議論をし、今後もより多種多様な人材が活躍できる職場環境の構築に努めていきたいと考えています。
まとめ
任天堂では、しっかり一人一人を理解し、チームワークを大事にし、その上、個人の能力発揮をする場を提供し続けています。
新型コロナウィルスによって、幅広い世代に愛されるゲームをつくるためにはどうすればいいのか、ゲーム業界では重要をなりますが、そこを理解にして従業員とともに成長できるように努力しているのがわかりますね。
来年はどんな質疑応答がでるのかが楽しみです。
来年の株主総会の運営に関しては、新型コロナウィルス感染症の状況や株式分割後の株主の数などを考慮に入れながら検討したいとのこと。
他社で、いわゆるバーチャル株主総会や、動画での中継等を利用して実施されるかもしれません。
この厳しい世の中に、成長をつづける「任天堂」。
これからの動向に注目です。